StockholmのSlussenから,グスタフベリス行きのバスに乗り40分,そこから徒歩15分歩いた所に,その施設はあります.すぐ近くには湖があり,散歩に最適な散策道が続く,美しい静かな街でした.グスタフスベリは,陶器の街でアウトレットや博物館もある観光地です.昨年,訪問した所なのですが,アクティビティーがとても充実していました.少しご紹介したいと思います. ここには病院,あるいはホームヘルプサービスや訪問看護を受けていた方が在宅困難となり移ってきます.民間の施設で,市(commune)から委託され経営しています.41名の方が入居されていました.アクティビティーの担当は,主にOTの女性と,二人の女性です.どの高齢者住宅にもいる訳ではありませんが,この二人の女性は医療スタッフではない職員で,Activityの取りまとめや利用者や家族の話し相手となり,雰囲気作りに欠かせない存在でした.月曜日から金曜日まで,ほぼ毎日午前と午後にアクティビティーが組み込まれています.散歩や体操,ボール遊び,トランプや映画鑑賞,季節にあわせた様々な手芸,月に数回アコーディオンの奏者が来て演奏会などがありました.ユニットごとに,いつものランチをおもてなし用の食器を使って食べる日もありました.
このような施設では,残っている機能をそのまま維持し,自宅での生活をなるべく続けるようにみんなが努力しています.また,高齢者が自分で出来る事は自分でするように,彼らがそれを望む事もあるし,そうしむける事もあります.なんでも手伝いすぎる事は,かえって高齢者の機能を低下させる事になるからです.例えば,ある高齢者がアイロンがけをする時も,スタッフがそばにいて,時々手伝いながら見守る.時間をかけてでも自分でやるという達成感は大事だからとスタッフは言います.一方,それを見守る時間のあるスタッフがいるから出来るという事でもあると思います.
ある日のランチ:ベーコンとブラウンビーンズ,ジャガイモというシンプルな食事です.9名中セッティングすれは自分で食べられる方がは5名,残りの方に対しては,スタッフは自分の食事を食べながら食事介助をしていました. Slussenの近くの見晴らしの良いカフェに,送迎用のタクシーを利用して高齢者とそのご家族,スタッフ,ボランティアの方と行きました.利用者である一人の女性は,話す事も困難で日常生活の全てにおいて介助を必要としていました.しかし夫がケーキを口に運ぶと上手に食べ,ジュースを飲んでいました.夫は妻の頭や顔を撫で,やさしく声をかけていました.病院食のような味気ないものだけじゃなく,できるだけ自宅での生活に近づくような環境の中で,家族や周囲の愛情に囲まれているからこそ,食べるという行為が続くのかなと感じました.
一般にSwedenでは,最期までQOLをできるだけ高く保ち,最期の苦しみは短いものとする事が選ばれ,終末期に入った時は,点滴その他の延命行為はほとんど望まれません.胃瘻もほとんどみる事はなく,この施設でも一人もいませんでした.なおスウェーデンでは終末期を迎えると,医師の判断により英国のクリティカルバスであるLiverpool Care Pathway(LCP)に基づいてケアにあたっているそうです.
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