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EMIL'S NORDIC INSIGHTS
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スウェーデン実習に参加して現場が変わったー 障がい福祉・就労支援の成功事例

参加者インタビュー:スウェーデンの障がい福祉を学んだ経験が、日本の現場で利用者さんの支援成果はもちろん、施設の運営にも良い影響をもたらした実習体験をご紹介します。
8/13/2025

安井さんは現在、移動支援、訪問介護、就労支援、グループホームなどのサービスを提供する施設の管理・運営に携わっています。こちらの施設では、障がい支援区分6の自閉症や強度行動障がいを持つ利用者の支援にも積極的に取り組んでおり、全体で約250名の利用者さんにサービスを提供しています。

 

2022年に安井さんはSQCスウェーデン実習プログラムに参加されました。この実習は、ご本人の関心や支援領域に応じて内容を構成したオーダーメイド形式で行われました。実習から3年が経った今、実習で得た知識や経験が現在のお仕事にどのように活かされているのか、お話をうかがいました。

 

スウェーデン実習で得た知識や経験が、今どのように活かされていると思いますか?

前回のインタビューでもお話ししたとおり、以前は、たとえば就労支援なら「目の前の作業をやってもらうこと」に集中していました。でもスウェーデンで、利用者さんの「一生涯」を考えた支援方法を見て、自分の考え方が大きく変わりました。短期的ではなく、利用者さんの人生全体をどう支えていくかを考えるようになったんです。以来、「一生涯を支えること」を目標に、日々サポートに取り組んでいます。

 

その「一生涯を支えるサポート」とは、具体的にどんな支援ですか?

― 利用者さんそれぞれ、受け入れたときの課題が違います。たとえば、自傷行為が激しい強度行動障がいのある方の場合、自傷行為を減らすために「1年で1つの課題」に取り組み、次の1年でまた1つ、といったように、スタッフと利用者さんで話し合って長期的な支援計画を立てるようにしました。5年経てば、これだけクリアできたね、というように。

ある利用者さんは、外に出るとお店の商品を壊してしまうこともあるので、最初の半年は、なかなか外出ができなかったんですが、今ではユニバーサル・スタジオ等、年に何回か外出できるようになっています。また最初は「10分も座っていられないから作業は無理」と言われていましたが、今では30分作業できるようになりました。

 

そういうふうに、1年間向き合う、2年間向き合う、という支援に取り組んでいます。簡単なことではありませんが、自傷行為もかなり減ってきました。そういう利用者さんが、うちには一人や二人ではなく、けっこう多いんですよ。

 

他にも、就労継続支援B型で作業をしていた利用者さんが、今は雇用契約を結んで社員として支援に入っているそうですね?

― そうです。先ほどお話ししたようなやり方で、一つひとつの課題に1年、5年と見据えて取り組んできた結果だと思います。理事長が「この人は一般就労に移行できる」と認定した方の多くは、自ら「支援をしたい」と申し出てくれて、一緒に資格を取りに行きました。今では、居宅介護にも実際に入ってもらっています。

彼らはもともと障がい認定を受けていて、軽度知的障がいや自閉症のある方々ですが、一般就労で一社員として働いていて、他の社員とも変わらないくらいの給料で、本当にがんばってくれています。

 

それもすべて、スウェーデンに行って最後にエーミルさんに紹介していただいた施設(レストラン)に衝撃を受けたからです。障がいのある方が高齢者をサポートしていた。あの姿を見て、考えがガラッと変わりました。

障がいの有無に関係なく、誰でも支援できる」「障がいのある方が、他の障がいのある方をサポートする」それをスウェーデンで学びました。

 

実際、福祉の現場はどこも人手不足ですよね。うちの施設ではカフェを2店舗運営していて、そのうち1店舗は、一般就労に移行した方が中心となってパンやサンドイッチを作り、地域の方に販売しています。その中で、お客さんとして来られる高齢者の方に、ランチを提供しているのも、一般就労に上がった方々です。これも、スウェーデンに行ったからこそ実現できたことだと思っています。

 

スウェーデンへ行こうか迷っている方へのメッセージをお願いします

― 今は携帯で調べれば情報はいくらでも手に入りますよね。私もスウェーデンに行く前は制度について色々と調べました。でも、文章だけでは全然理解できませんでした。

 

それが、スウェーデンから帰ってきてから情報を読み直すと、驚くほど頭に入ってくるんです。現場で見て、感じたことが強烈に残っているからです。普段の業務で何か疑問が出てきたときも、「スウェーデンではこういう時どう対応しているのだろう」と思って調べてみると、不思議とすっと理解できるようになっているんです。

だから私は、「現地に行って、生の現場を見ること」は本当に大事だと思います。

 

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インタビューから見えてくる「スウェーデン実習の効果」

 

※以下はインタビュアーの視点です。

スウェーデンでの実習を経て、支援の現場では少しずつ、確かな変化が生まれていることが伝わってきました。

·      スタッフ:「一生涯を見据えた支援」の考え方を理解し、実践することでサービスの質が向上

·      利用者:自立度・作業時間・社会参加が増え、役割を持つことで生活の質が大きく向上

·      施設:利用者が戦力化する「循環型支援体制」が実現し、人手不足対策・収益向上に繋がっている

·      視点の変化:実習でのリアルな体験が、制度理解と実践の深度を飛躍的に高めている

スウェーデンへの視察や実習には、確かに費用や時間といったコストが伴います。それでも、その経験を通じて「人が育ち、利用者が変わり、施設のあり方も変わっていく」そんな前向きな変化は、現場の未来にとって大きな利益につながるのではないかと感じました。

『僕が生きている限り一生涯一緒に過ごしたいなと思える利用者さんたちばかりなので、なんとか課題をクリアできるようにして、地域で暮らせるようになってもらわないと、という気持ちで支援させてもらっています。』と照れた笑顔で話す安井さん。

柔らかく、穏やかに話しながらも、一人ひとりの人生とまっすぐ向き合う姿勢。

どんなときも学び続け、笑顔を忘れず、利用者さんの変化を心から喜び、仲間とともに歩もうとするその姿に、たくさんの学びをいただきました。心から尊敬しています。

安井さん、このたびは貴重なお話を本当にありがとうございました。
これからのさらなるご活躍を、心から楽しみにしています。

SQC高橋

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