グローバル教育・留学・研修:大学生スウェーデン現地研修レポート - 学びと成長の体験



海外研修は、目的を持って異国を訪れることで、観光とは違う視点でその国、また母国・日本をとらえることができます。新たな視点や知識を得ることで、自身の学びや将来のキャリアにポジティブな変化をもたらし、人生で忘れられない出会いも生まれます。本記事では、大学生が実際に参加した現地研修の様子や得た学びをご紹介します。
法政大学現代福祉学部 ― スウェーデン研修プログラム
Swedish Quality Care(SQC)では、毎年法政大学現代福祉学部の学生グループをスウェーデンに迎え入れています。スウェーデンの福祉、教育、社会制度に強い関心を持つ、意欲的で好奇心あふれる学生たちと出会えることは、私たちにとって常に大きな喜びです。本プログラムは、学生の要望や学習目的を重視しながら、年々内容を発展させてきました。多くの学生にとって、本研修はスウェーデンと日本の社会制度を実地で比較・理解する貴重な機会となっています。
渡航前の準備:オンライン事前講義
スウェーデンの福祉制度に関するオンライン事前講義を実施しています。この講義はスウェーデン訪問の数か月前に行われ、スウェーデンの福祉制度の基礎的な理解を深めることを目的としています。さらに、学生はグループおよび個人でスウェーデンに関する事前学習を行い、文化、社会政策、教育制度などをテーマに調査・分析を行います。そして、事前に学んだ内容をもとに「スウェーデンで学びたいこと」を発表することで、比較の視点を持ちながら研修に臨むことができます。このプロセスにより、学生は現地での視察や説明内容をより深く理解することができます。以前は私自身が日本を訪問して講義を行っていましたが、オンライン形式は効率的で、学生からも高く評価されています。
いざ、現地研修へ
研修プログラムは4日間の公式視察で構成されており、週の途中に1日の自由行動日を設けています。この自由日には、学生が自らスウェーデンの社会や日常生活を体験し、これまでの学びを振り返る時間を持つことができます。多くの学生が、この時間を通じて日本との文化的・社会的な違いに気づき、理解を深めています。プログラム初期には5日間連続で視察を行っていましたが、現在の形式の方が学習効果が高いことが分かりました。
スウェーデンでの研修は、必ず地方自治体(コミューン)への訪問から始まります。ここでは、障害のある方、高齢者、子ども、さまざまな支援を必要とする家族に対する自治体の役割や支援体制について学びます。スウェーデンにおける国・地域・自治体の役割分担は、日本の制度と比較して大きな関心を集めるテーマです。特に、社会的に困難な状況にある家族、精神的な問題、依存症、ドメスティックバイオレンスといった課題について、多くの質問や意見交換が行われます。
その後、教育分野および医療・福祉分野における視察が続きます。主な訪問先は以下の通りです。
•心理的健康、不登校、いじめ防止をテーマとした小学校
•児童・青少年精神科外来
•知的障害のある方を対象とした学校
•カロリンスカ大学病院のプレイセラピー(遊戯療法)部門
これらの視察を通じて、学生はスウェーデンにおける予防的支援、多職種連携、子どもの権利に対する考え方を、日本の現場と比較しながら学ぶことができます。
また、本プログラムの重要な要素の一つが、ストックホルム大学の学生との交流です。スウェーデンの学生がキャンパスツアーを企画し、その後、日本とスウェーデンの学生による交流ディナーが行われます。学生同士の直接的な交流を通じて、学業、将来のキャリア、社会課題について率直な意見交換が生まれ、スウェーデン社会への理解が一層深まります。私にとって、最も楽しい瞬間は、日本からの参加者とスウェーデンの子どもたち、学生、障害のある生徒、現地スタッフとの素晴らしい出会いや交流の場面を見ることです。帰国後もスウェーデンとのつながりを持ち続ける学生が多いことは、私たちにとって大きな喜びです。

本研修を通じて学生が得るのは、スウェーデンに関する知識だけではありません。スウェーデンと日本の制度を比較することで、自国の社会や福祉、教育をあらためて見つめ直す視点が養われます。多くの学生が、帰国後の学業、卒業論文、さらには将来の進路選択において、本研修での経験が大きな影響を与えたと語っています。このプログラムは単なる海外研修にとどまらず、長期的な国際的学びの機会として、学生一人ひとりの成長につながっています。
研修レポート
今回参加してくれた法政大学の学生さんのレポートはこちらからご覧になれます。現地研修に参加することへの不安が、かけがえのない学び・経験・出会いとなり、今後のそれぞれの勉強やキャリアの基盤になったようです。素晴らしいレポートです。このなかから少しご紹介させていただきます。
日本にいると自国の制度を客観的に見る機会が少ないため、今後も積極的に海外に目を向けたいと感じた。今回の研修で得た学びや気づきをふまえ、良い点と課題の両面から自分たちの社会を見つめ直しながら、「自分の生き方を選択して生きられる社会」とは何かを多様な視点から考え続けていきたい。
「次、海外に行くなら絶対にまた北欧がいい!」そう心から思えるのは、この研修で得た経験が自分にとってかけがえのないものになったという証拠だと思います。今回の研修で学んだ子供主体の支援のあり方や、心豊かに生きるためのライフスタイルの考え方を、今後の大学での学びや自身のキャリア、そして日々の生活にも積極的に活かしていきたいと思います。
小学校に訪問した際、わずか数分間であったが、子ども達が私たちが乗るバスまでお見送りをしてくれ、校庭の花を持ってきてくれた。この数分間は、かけがえのない時間であったと感じた。これらの交流を通じて、たとえ一時的なものであっても、出会い交流する一期一会の価値について考えることができた。
大学に入学する前からこの海外研修プログラムについて存じており、入学した際には必ず参加したいという強い思いを抱いていた。応募する前は、選考に通るかどうか不安もあったものの、「挑戦して後悔した方がいい」と考え、この海外研修に応募した。そうして始まった研修では、私の人生においてかけがえのない多くの学びや経験を得ることができた。
私は障害児の発達支援に関心があるため、今後は、今回訪れたプレスクールや特別支援学校で得た学びを実践に移していきたいと考えている。私は現在アルバイトとして発達支援業務に関わっているため、まずはその現場で、絵カードなどを使った意思疎通の方法を取り入れるように提案したい。また、児童と関わる際には、その児童が「できる」ことに着目し、個人のニーズに合わせた集中的な支援を行えるように職員と連携を図っていきたいと考えている。
私も人々の生活に寄り添い、日々の暮らしを支えらえる存在になりたいと強く感じた。そのためにも、これから福祉に対してより真摯に向き合い、自分自身の学びをさらに深めていきたいと思う。
今回の経験が、参加した学生の皆さんそれぞれの未来の選択肢を広げ、自分らしい進路を切り拓く力となることを心より願っています。
参考:
過去の法政大学のスウェーデンの社会福祉を学ぶ現地研修プログラムの様子(YouTube動画)
スウェーデンのSDGsを学ぶ大学生・スウェーデン現地プログラムの様子(YouTube動画)
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