特別支援教育における学校犬の役割 - スウェーデン小学校で見た学習意欲と『学校に行きたい』気持ちの変化



学校犬による学習意欲と登校意識の向上
昨年秋、日本からの社会福祉学専攻の大学生グループとともに、私たちはスウェーデンのある小学校を訪問しました。目的は、さまざまな課題を抱える児童をどのように支援しているのかを学ぶことでした。
訪問の中で、特に印象的だったのが「学校犬チーム」の取り組みです。チームは、特別支援教育の教師と、その教師が育てた訓練済みの犬で構成されています。学校犬は、特別な教育を受けており、児童の学びをさまざまな形でサポートしています。
特別支援教師は、個別指導の場で学校犬と一緒に児童を支援します。犬の存在が子どもたちに安心感を与え、学習への意欲を高める効果があります。子どもたちは「今日は犬に会える!」と楽しみにして登校し、授業がよりポジティブなものになるそうです。
私たちが見学した授業では、犬が大きなサイコロを鼻で押して転がす様子が紹介されました。出た目の数字に応じて児童がボード上のコマを進め、その指示に従って文を書いたり、課題に取り組んだりします。こうした工夫によって、学習が「遊び」のように楽しい体験へと変わっていました。
また、犬は常にアクティブに動くわけではありません。ときには授業中、児童のそばに静かに寄り添い、安心できる空間をつくります。児童が犬をなでながら学ぶことで「オキシトシン」と呼ばれる幸福ホルモンが分泌され、心が落ち着く効果もあるそうです。
校長先生によると、多くの子どもたちは家に帰ってからも「学校犬」の話を楽しそうにするとのこと。学校犬は、子どもたちにとって「学校に行きたい」と思えるきっかけの一つになっているようです。
担当の特別支援教師によると、彼女自身は週5日勤務していますが、学校犬は週2日のみ活動しているそうです。児童との関わりは犬にとっても大きなエネルギーを使うため、しっかりと休息を取ることが大切だと話していました。
このような学校犬の取り組みは、スウェーデンの教育現場で少しずつ広がりつつあります。犬がもたらす安心感と喜びが、学習への意欲と登校率の向上につながっていることは、非常に興味深い実例といえるでしょう。
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