KTH Innovationが支えるスウェーデンの世界トップクラスのイノベーション力
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世界で2番目に革新的で、欧州で最も効率よくユニコーンを生み出し、その投資のほとんどを地球の未来(インパクト)に投じる国――スウェーデン。その中核にあるスタートアップ支援拠点、KTH Innovationのイベント「Collide」に参加しました。「Collide」とは、英語で「交差する」「融合する」「化学反応する」を意味し、異なる人やアイディア、分野が出会って新しいものが生まれる――まさにイノベーションの化学反応を体現したイベントでした。
Collideで見るイノベーションの現場
今回のイベントでは、15のスタートアップがブースを出展し、それぞれのアイディアをピッチ。投資家50名、起業家・業界関係者150名以上、研究者40名が来場しました。スウェーデン語や英語だけでなく、フランス語も飛び交う国際色豊かな場です。
投資家に話を聞くと、
「今回はすぐに投資したいスタートアップはなかったが、ピッチのうまいチームはあった。スウェーデンにいながら、世界中の様々なバックグラウンドを持つスタートアップと出会え、世界のスタートアップのトレンドを知ることができるのが魅力。だから毎回参加する」
とのこと。
スタートアップ側も目的はさまざまで、ピッチ練習、テスト企業探し、資金調達など、それぞれのステージに合わせて参加しています。会場の雰囲気は終始ポジティブで、「起業って楽しい」と実感できる場でした。
KTHの研究室から生まれたディープテック・パイオニア Flox
KTHのAI研究室で野生動物行動分析を研究していたチームが、研究を研究だけで終わらせるのではなく、実際の社会問題(動物と乗り物の衝突事故等)を解決したい。とメンバーが集まり、2020年に 起業、KTH Innovationのサポートを受けて着実に成長を続けています。
•2020年:KTH Innovation Launch(プレ・インキュベーション)プログラム参加
•2023年:Brighter Program参加、米国市場戦略とネットワーク構築
•プログラム終了後6か月:最初の顧客契約を獲得
•2024年:米国オフィス設立
•2025年:約100万ドル(約1.5億円)資金調達
•2026年:約300万ドル(約4.5億円)資金調達
Launchプログラムでは、週単位のビジネスコーチングや法務・知財サポート、初期検証資金、オフィス利用、投資家・パートナーとのネットワーキングなど、研究者が「技術を売れる商品」に変えるための実践的支援を受けられます。
Brighter Programでは、毎年選定される世界の主要都市(ロンドン、ニューヨーク、パリ、ミュンヘン、ベルリンなど)を1週間訪問し、グローバル市場戦略の習得、現地ネットワーキングなど、いずれのプログラムも参加者は無料で参加できます。FloxのCEO Saraはこう振り返ります。
「Brighter Programは米国市場参入の複雑さを乗り越える上で非常に役立ちました。戦略とネットワーク構築の知見を得られたことが、今の成果につながっています。」
生物多様性を守るビジネスとしての強み
Floxが今回300万ドルの資金調達を受けた背景には、単なる事故防止ではなく、生物多様性保全という明確なビジネス上の狙いがあります。
彼らのAIプラットフォームは、単に動物を追い払うだけでなく、「どの種類の動物が、いつ、どこで、どう反応したか」をデータ化。このデータは、投資家が政府や株主に提出できる「生物多様性を守った証拠」として活用可能で、インパクト測定や義務達成にもつながります。
つまりFloxの事業は、単なるエコ活動ではなく、環境保護の成果を企業の法令遵守と経済利益に直結させる、データ駆動型の合理的なビジネスです。
投資家は同社を、ネイチャーポジティブ市場における不可欠な「データ・インフラ」と見なし、大型投資を決断しました。
KTH Innovationのエコシステムが生む可能性
Floxのように全てのスタートアップが成功するわけではありません。それでも、どんなアイディアも成長して世界に影響を与える可能性があります。
その可能性を後押しする手厚いサポートとネットワークこそが、KTH Innovationの最大の強みであり、スウェーデンが世界トップクラスのイノベーション国家であり続ける力になっているのです。
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