家族を介護しながら給与ももらえる?スウェーデンの家族介護制度



1. スウェーデンの家族介護制度とは
スウェーデンでは、家族が介護を担う場合でも、社会がその負担を支える仕組みが整っています。家族が正式に雇用されて給与を得ながら介護を行える制度や、重度障がい者に対する個別支援などがあり、介護を「家庭の責任」ではなく「社会の支援の一部」という考え方が福祉の根底にあります。
2.仕組み
家族が介護を担当する場合、以下の制度を利用できることがあります。
- Anhöriganställning(家族雇用)
自治体が家族を正式に雇用し、給与や社会保険を付与する仕組みです。勤務時間やシフトも柔軟に調整でき、生活と介護の両立が可能です。 - Assistansersättning(個人アシスタント給付金)
重度障がい者向けの支援制度で、家族を介護者として登録し報酬を受け取れます。
これらの制度は、家族を非公式な介護者ではなく社会の一員として認めるもので、給与をもって介護を支えられます。また、介護される側は自治体やLSS(障害者支援法)からの支援も別に受けられるので、介護者と被介護者の双方が生活の質を維持しやすい仕組みになっています。
3. 家族介護制度のメリット
- 生活の安定:給与と社会保険が付くため、経済的な不安を軽減
- 柔軟な勤務:勤務時間やシフトを家庭や自治体の希望に応じて調整可能
- 安心感:慣れた家族が介護することで被介護者も安心
- 社会的支援:自治体やLSSからの支援を受けつつ介護できる
4. 利用の現状と課題
この制度を利用する家庭はまだ多くありません。
- Anhöriganställning(家族雇用)は全ての自治体で行われているわけではない
- 手続きや条件が複雑で、情報を知らない家庭も多い
- 自治体のサポートなどにより、家族が直接介護を担わなくても安心して暮らせる環境が整っている
例えば、ストックホルム近郊のHaninge kommunなど一部の自治体では運用が確認されていますが、全国的に統一された制度ではありません。
自治体サービスを利用するか、家族が給与を受けながら介護するかなど、家庭ごとに状況に合わせた柔軟な選択肢があるのは魅力的ですよね。
参照元:
https://anhoriga.se/stod--utbildning/fakta-om-anhoriga/fakta-om-anhorigstod/anhoriganstallning/
https://www.haninge.se/omsorg-och-stod/socialt-och-ekonomiskt-stod/anhorigstod/


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