「なんとかなる!」高校生がスウェーデンで3週間の福祉実習で見つけたもの



なぜスウェーデンへ?初めての海外
まず、なぜ実習先にスウェーデンを選んだのですか? また、どんなことを学びたいと思っていましたか?
―福祉科で学んでおり、授業でスウェーデンは高福祉の国だと習ったので、今回の留学先は自然とスウェーデンと考えていました。
もちろん、自分の専門分野である福祉のことを学びたいという思いが一番にあり、そしてそれ以外にも国の事を知りたいと思っていました。生活を通して、国が人々の暮らしを支えるためにどんなことをしているのか。例えば少子化対策などについても知りたいと思っていました。
実際にスウェーデンで生活をしてみて、気づいたことはありましたか?
―バスや電車のなかで車いすの人が特別な目で見られていないと感じました。そういうところも、多様性を受け入れている社会なんだなと感じました。
トビタテでスウェーデンでの実習が決まって、出発前に一番不安だったことは何ですか?
―ダントツで飛行機!人生で初めてパスポートを取って、一人で飛行機を乗り継いで行くなんて、不安でしょうがなかったです。荷物がなくなったらどうしようとか、チェックインできるかなとか。
あとは、お店の店員さんは優しいかなとか。
言葉の心配はありませんでしたか?
―スウェーデン人は英語ができると聞いていたからそんなに心配していなかったです。
ホストファミリーとの生活についても、最初は不安があったそうですね?
―スウェーデン人のホストファザーとうまくやっていけるかな、という不安はありました。
実際にスウェーデンに来てみてどうでしたか?
―お店の人は優しい人が多いので、利用しやすかったです。ただ、実習先などでスウェーデン語しか話せない人もいたので、少しスウェーデン語を勉強してくればよかったかなと思いました。
言葉が通じないことで困ったことはありませんでしたか?
―そうでもないです。日本の学校の授業で表情やジェスチャーを使ってコミュニケーションを取ることを学んでいたので、それを実践しました。あと、英語が話せる利用者さんもいたので。
英語や表情、ジェスチャーを駆使してコミュニケーションを取って、それが伝わった瞬間は「つながれた!」と嬉しい気持ちになり、もっと相手のことを知ろうというモチベーションにもつながりました。
スウェーデンの福祉施設で感じた「自由さ」
スウェーデンの福祉施設で、最初に驚いたことは何でしたか?
―最初の実習先である高齢者施設では、「職員の自由が守られている」と感じたことです。アボカドを食べながら利用者さんとおしゃべりをしているスタッフを見て、最初は驚きました。でも、スタッフ自身が楽しみながら働いている姿を見て、こういう自由さもいいなと思うようになりました。
障がい者のデイケアセンターでは、「利用者さんが楽しそう」と感じました。例えば、お散歩したいときにお散歩に出て、戻りたくなったら施設に戻る。みんなでリビングルームに集まって、リラックスして過ごしている。利用者さん自身が自分らしさを出せる空間であり、安心できる空間なんだなと感じました。
日本で実習した施設と比べて、一番違うと感じたことは何ですか?
―一番は、とにかく「自由さ」です。利用者さんがしたいと思うことをしたいときにやる。そしてそれを受け入れるスタッフ。みんなが笑顔で不満があまりなさそうに見えました。また利用者さんは施設だけでなく、スタッフのことが好きで、「だから自分はここにいたい」と思っているように見えました。
「これは日本でも取り入れたい」と思ったことはありますか?
―やっぱり「スタッフの自由さ」ですね。スタッフ同士でも楽しそうだし、歌いながら、踊りながら料理をしたりと、施設の雰囲気がとても明るい。それが利用者さんがゆったりと過ごせている理由の一つなのかなと感じました。介護の仕事は楽な仕事ではありません。でも、スタッフも自分らしさを出しながら、楽しく働けたら、大変な仕事を続けていくうえでのモチベーションにもつながると思います。なので、レクリエーション活動などがあれば、自分も、もっと歌ったり、楽しい雰囲気づくりに貢献したいと思いました。
今回の経験を通して、将来についての考え方に変化はありましたか?
―めちゃくちゃありました。とにかく視野が広がりました。今までは、「日本でケアマネジャーになる」と考えていましたが、海外で福祉の仕事をするのも選択肢の一つになりました。
「なんとかなる」海外留学を迷っている高校生へ
海外留学に興味はあるけれど、「言葉」「海外での生活」「自分にできるかな」と不安を感じている高校生に、何か伝えたいことはありますか?
―長期で学校を休むことで、帰ってから授業についていけるかなとか、費用面での心配、言語の壁があり、自分には留学なんて無縁だと思っていました。でもこの制度を知り、応募して本当に良かったと思います。
たとえ選考に通らなかったとしても、応募したこと自体が誇れることだと思います。今したいこと、今しかできないことにチャレンジしたいという自分の気持ちに素直になって行動すれば、きっと何かが変わると思います。
出発前の自分に今の自分から一言かけるとしたら、何と言いますか?
―「なんとかなる(笑)」
飛行機が不安だったけど、なんとかなった。実習先に一人で電車とバスを乗り継いでいけるか不安だったけど、なんとかなった。実習先の環境に馴染めるかなと不安だったけど、なんとかなった。
一つずつ、一つずつクリアできた。だから、不安なことよりも、楽しみなことを考えてほしいと伝えたいです。
今回はホームステイでしたね。ホームステイはどうでしたか?
―ごはんと寝るところが確保されればいいやくらいの気持ちでいましたが、一緒に過ごしたり、お出かけしたりと、スウェーデンの家庭を満喫できました。ホストファーザーはいつもユーモアたっぷりで場を和ませてくれ、二人でサッカー観戦に行ったり、冗談を言い合ったりするくらい仲良くなりました。

スウェーデンで変わった、人を見る目
最後に、今回の実習やスウェーデンでの生活を通して、ものの見方や考え方に変化はありましたか?
―変わりました。文化の違いが衝撃的だった。例えば電車のなかでなにか食べている人、大きなタトゥーがある人など、日本だと人のひとつの行動や見た目だけで、どういう人かを決めつけることもあるけど、こっちでは違った。人それぞれ考え方や生き方が違うことを、社会が受け入れているんだと肌で感じました。だから「決めつける」ことをやめようと思いました。また、なにか悩みができても「世界で見れば小さなこと」と思えるし、苦手な人に出会っても、「世界にはいろいろな考え方の人がいるんだから、まあ、いっか」とポジティブに考えられるようになりました。
インタビューを終えて
今回のお話で印象的だったのは、福祉施設での学びだけでなく、スウェーデンで生活することそのものが大きな経験になっていたことです。
働く人の姿、利用者さんの過ごし方、街で出会う人々、言葉が通じない相手とのコミュニケーション。実際にその場所で生活したからこそ得られた気づきが、彼女の福祉に対する考え方だけでなく、人の見方や将来の選択肢にも変化をもたらしていました。
出発前に日本からZoomミーティングに参加してくれたときと比べ、彼女の表情や言葉からは、一つひとつの挑戦を乗り越えた自信が感じられました。今回のスウェーデンでの学びや出会いが、これからの彼女の人生を支える大切な経験となることを心から願っています。
SQC高橋
「知りたい」「見てみたい」をスウェーデンで形にしてみませんか。
「スウェーデンの福祉の現場を見てみたい」「日本との違いを自分で確かめたい」「現地で働く人に話を聞いてみたい」。
SQCでは、一人ひとりの興味や探究したいテーマに合わせて、現地での実習や施設訪問、インタビュー、フィールドワークなどを組み合わせながら、その人ならではの学びの形を一緒に考えます。
まだ具体的な計画が決まっていなくても大丈夫です。「こんなことを知りたい」というところから、まずはオンラインでお話を聞かせてください。
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